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プレミアリーグ「ストーク対チェルシー」感想文  マーク・フューズとフィジカル 

■ブリタニアと今季の命題

「ブリタニア・スタジアムでのストーク戦は簡単でない」というのは、一部のチェルシーファンの間では有名な話ではありますが、プレミアリーグ優勝を目指すなら勝ち点を落とせません。

 このブログで何度も書いておりますが、「中位下位チームから、なるべき勝ち点を落とさない」というのは今シーズンの命題であるわけで、そういう意味でもこの試合かなり重要でした。

 ストークの監督はあのマーク・ヒューズ。これまでさまざまチームで監督を務めていて、監督としての評価は千差万別という感じですが、私の中では「監督マークヒューズ」はそれなりに評価しています。特に10年くらい前の第一次モウリーニョ政権のときに戦った「ブラックバーン監督時代」のイメージが強く残っていて、個人的にはその戦い方は嫌いではないんですよね。

■マーク・ヒューズ監督

 そのマーク・ヒューズ監督のサッカーのイメージとは、「めちゃフィジカルコンタクトが荒い格闘サッカー」。要は反則すれすれの当たりの厳しいサッカーで、相手を怪我させることも厭わないような汚いサッカーではあるんですが、「自分たちのサッカーの技術がなく下手糞なら、フィジカルゴリ押しで戦って相手の技術も封じ込めちゃえば」的な弱者のスタイルは、力の劣る相手に対する戦術としては、ある意味理に適っている気もするんですよね。もちろんアンチフットボール的な思考なんで、意見が分かれるところではあるんでしょうけど。

 ちなみに、この試合の前にモウリーニョがチェルシーHPでフィジカル戦になると予想してましたが、もしかしたらモウリーニョの頭の中にも同様なアンチフットボールの記憶が残っていたのかもしれません。

■フィジカルにはフィジカルを

 というわけで、試合について。チェルシーが試合開始早々のコーナーキックからテリーのヘッドで先制するんですが、その後、ストークの目論見通り(?)激しいフィジカル戦に突入。チェルシーも負けじと「目には目を歯には歯を、アンチにはアンチを」的な戦い方を採用し、両者で激しいフィジカルコンタクト合戦が繰り広げられることになります。この試合、チェルシーは中盤をミケル&マティッチにして、セスクを2列目で起用していたんですが、それはたぶん、そんな「フィジカル合戦」を想定してとのことだったんでしょう。

 今季のストークは元バルサのボージャンが加わり、フィジカルや高さだけではないチームとなっているところがポイントなんですが、チェルシーは彼に仕事をさせないようにきっちりと守備していたところは印象的でした。ボージャンに自由にゲームメイクされると厳しい展開になっていたと思うんですが、彼にあまり仕事をさせなかったのはもちろんのこと、逆に彼のところでボールを奪取してカウンターに持ち込む場面もしばしば。カウンターからのゴールは生まれませんでしたが、ボージャンに決定的な仕事をさせなかったことは、この試合のカギでした。

 チェルシーは後半、アザール&セスクの黄金コンビから追加点をゲットして、そのままストークの反撃を許さず試合は終了。アザールが怪我で退場という残念な場面はありましたが、難しいブリタニアでの試合を2ゴール&無失点で抑えたのは完勝といっても言い過ぎではないんでしょう。

■勝因

 勝因はやはり「フィジカル合戦」で負けなかったことと、ボージャンを封じ込めたことでしょうか。今季それほど調子がよくなかったミケルも、この試合ではきっちりと仕事をしていたように見えましたし、ピッチ上の全員が同じ絵を描いて戦っていたように感じられたことが、何よりすばらしかったように感じました。

 対戦相手によって戦い方を変えることができるのはモウリーニョのチームの特徴ではありますが、この試合もそんなモウリーニョのチームらしい良さが出ていた試合だったのではないでしょうか。この調子で年末年始の過密日程を乗り切ってほしいところですね。
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Posted on 2014/12/23 Tue. 21:50 [edit]

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