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上田昭夫氏と慶応ラグビーの思い出 

上田昭夫氏が亡くなったとのことで、氏が監督をしていた当時の大学ラグビーについての思い出を。

1985年度に慶大が日本選手権でトヨタ自動車を破り日本一になった時の主将だった中野忠幸さん(51)は「練習は厳しかったが根性論ではなく、ウエートトレーニングなどを重視して実戦的な練習を取り入れた戦術家だった。明るく、選手の気持ちを盛り上げるのも上手な方だった」と振り返った。上田さんは当時、トヨタ自動車で働きながら指導していたため、練習メニューを毎日、合宿所のファクスに送ってきたといい、「仕事で来られない日は会社に呼ばれて夕食を食べながら指導を受けた。本当に残念」と惜しんだ。引用元

1980年代。確か当時はサッカーよりも大学ラグビーを好んで見ていた記憶がある。早稲田大好きの親父の影響もあって、テレビではもちろん、秩父宮ラグビー場まで行って大学ラグビーを観戦していた。もちろん、早稲田の試合を中心に。当時は「バックスの早稲田、フォワードの明治」的な戦術的な風潮があって、素人目にわかりやすい戦術がバックスを多用した早稲田の展開ラグビーだった。それに、はまった。まぁ、親父が明治ファンだったら、違った視点だったのかもしれないけどね。で、そんな少しばかりラグビーが面白くなっていたころに、僕の前に登場したのが上田昭夫氏が監督となった慶応のラグビーだった。

 「バックスの早稲田、フォワードの明治」と先ほど書いたが、慶応のラグビーといえばハイパント戦術。厳密に言えば違うと思うが、素人的にはそんな区分だった。ハイパントって、知らない? 了解。ラグビーというのは前にボールを投げると反則となるが、キックで前に蹴るのはOKというルールがあり、ハイパント戦術とはボールを前方に高く蹴り上げて落下地点で相手よりも早くボールをつかむ、または相手がボールを獲ったらタックルでつぶすというような戦術だ。かなりざっくりと言えばだけど、要はボールを高く蹴って敵陣に突っ込んでマイボールにして攻めるという戦術。って、これ正しく言えば上田氏が監督になる前から慶応のラグビーでよく使われており、その時も弱くはなかったと思っているんだけど、チームが強くなったのは上田氏が監督になってからと言えるだろう。なぜに強くなったのか? その理由は、上の引用で書かれているように根性論から脱却したから? 戦術家だったから?
 その答えはわからないんだけど、今改めて思い返してみると、その答えは「守備力の強化」にあった気がしている。ラグビーで守備といえば、タックルが思い浮かぶけど、そんな個人の守備力にプラスして組織での守備力がずば抜けていたのが上田氏が監督していころの慶応ラグビーのイメージだ。さっき書いた「バックスの早稲田とか、フォワードの明治」とかって、要はサッカーでいうところの「ボールをポゼッションしているとき」の戦術なわけでして、いわゆる「ゾーンディフェンス」的な組織的な守備ってのはあまりクローズアップされてなかったんですよね。

 少なくとも当時の私は、そんな感じだった。守備のことよりも攻撃のことが重要。「自分たちのサッカー」的な「自分たちのラグビー」ができるかどうかが全てであり、極端に言えば相手を研究して、相手の攻撃を抑える、相手の弱点を突くといったゲーム思想はあまりなかった。つまり、相手のデータも調べなければ、自分たちの利点もよくわかっちゃいない。まさに、それこそ根性論。

 そんな根性論から一歩進んで、自分たちはもちろん相手を研究してラグビーを戦っていたのが上田氏率いる慶応だった。まぁ、これはあくまで素人的な発想ですし、ラグビーは戦術だけで勝てるスポーツではないんだけど。「バックスの展開が」とか「FWのスクラムが」とかいう戦術と比べ、「守備で勝つ」という戦術のほうが地味だけど、今思えば、そこに説得力はあった。

 特に戦力が劣るチームが勝つためには「攻撃力」よりも「守備力」というほうが理に適っているのは確かだ。もちろん、上田氏の慶応以外のチームだって守備を疎かにはしてなかったんでしょうけどね。

 と、ここまで書いてなんですが、ここで書いていることはかなり適当だ。正しいかどうかはわらないが、確かなのは上田氏が監督していたことの慶応ラグビーは素晴らしかったというイメージが私にはあるということだ。

 もちろん、20年前くらいのフランス代表のシャンパンラグビーのが美しいし、オールブラックスやオーストラリアや南アフリカのほうが守備が素晴らしいんでしょうが、「ラグビーは基本はタックルだ。フランカー万歳」というラグビーの本当のおもしろさを僕に教えてくれたのは上田氏の慶応だったと言えるだろう。

氏のご冥福をお祈りいたします。 


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Posted on 2015/07/25 Sat. 03:21 [edit]

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